CLIENT : TAKARAJIMASHA
- 前田 知巳
- コピーライター, クリエイティブディレクター
- 笠原 伸介
- クリエイティブディレクター
- 石井 原
- アートディレクター
日本人にもっと毒を。
汚い、といって電車のつり革に触らない人は、逆に不健康だと思う。
毒気など無縁の顔で理想ばかり語っていた政治家は、あっさりと折れてしまった。
お人好しがどれだけ罪かということを自覚しない国が、外交で失敗ばかりする。
毒とは何かを知らないコドモほど、人に平気で毒をかける。
あるいは自分にさえ毒をかけて、あっさりと死んでしまう。
あるいは「人に嫌われたくないから」という呪縛を自分にかけて、
少しずつ少しずつ、自殺しながら生きている。
いい毒は薬。毒に触れ、毒を知り、ある時はそれを解毒しながら、
ある時はそれを別の毒にぶつけながら、
人は自分の中に、やわらかで逞しい免疫力や想像力を育てていく。
とんでもなく悪いことをする人間は、ほとんどの場合、このふたつが決定的に欠けている。
さてこれからの子どもたちはどういう風に
毒を知り、人間を、世の中を、世界を知っていくのだろうか。
突然ですが。立川談志さんのような人には、ずっと居つづけてほしいと思う。
いい毒は薬。 宝島社の活字