CLIENT : TAKARAJIMASHA
- 前田 知巳
- コピーライター, クリエイティブディレクター
- 笠原 伸介
- クリエイティブディレクター
- 石井 原
- アートディレクター
国会議事堂は、解体。
人間、立派過ぎる仕事場を与えられたら、やはり「自分は偉い!」「この場所は、他人には絶対に
譲りたくない!」といつしか思い込んでしまうもの。相変わらずセンセイづらをしてふんぞり返って
いるだけの議員、あるいは省庁や官僚が大事なあまり、国民には平気でウソをついたり知らん
ぷりをしたりする議員、あるいは、とりあえず自分たちが安泰であるためには「昨日の友も、今日は
トカゲのしっぽ」で済まそうとする議員……国民から「国政はふがいなさ過ぎ!」とこれだけ
言われながら、こういう国会議員が今後も減りそうな気が一向にしないのは、まさに威容を誇る
建造物の代表、「国会議事堂」という場所が、彼らの人間性に、どこかいびつな作用を及ぼして
いるからではないでしょうか?「中身を変えたいなら、まず、ハコを捨てることである」。そう
考える私たちは、今回、以下のような抜本的かつ歴史的・国会改革案を提案します。
・現在の国会議事堂は取り壊し。完成してから65年以上、よどんだ空気が
相当たまっているだろう。跡地は民間に売却し財政赤字の補填に回す。
・国会は、どこか適当な広場(公園や学校等)で開催。
議員が一堂に会せる、ある一定以上の規模の広場ならどこでも構わない。
・しかしながら、衆議院議員でさえ500人という規模の人数を収容できる
広場は限られよう。この機会にあわせ、思いきって定数を約半分へと削減する。
・青空国会、つまり場所が屋外なので、暑かろうが寒がろうか
雨が降ろうが雪が降ろうがしっかりと議事をやりぬける体力と気力が必要。
それが足りない議員にはこの際ご退出願うしかないだろう。
国会議員の若返りが一気に進むことになるかも知れない。
・屋外ということは、ダラダラとやっていたらあっという間に真っ暗に
なってしまうということ(ナイター施設のある競技場などの場合は除き)。
従って議事の進行も極めてスピーディになる。
・また、会場は「広場」というオープンなスペースなので、一般国民の見物も自由。
一般国民からのヤジも自由。おちおち居眠りしていたら何が飛んでくるか分からない。
・誰もが「国づくり」の大切さと大変さに触れられる、貴重な体験の場。
閉会中ではなく開会中こそ、無垢な子供たちの修学旅行や
遠足の際の見学先として積極的に活用してもらう。
・薄暗い密室ではなくて、文字どおり白日のもとのやりとりである。
質疑に招かれた各省庁の役人さんたちも、少しは本当のことを喋りたくなるであろう。
・必然的に、「議事堂移転」という議論自体がもはや無意味なものになる。
それどころか、いっそ日本中の広場を巡回する「ツアー国会」にしてもよい。
「来たる!みちのく国会!!」とか。議員も、中央と自分の地元だけではない、
様々な地域の実情を肌で感じられるとうものだ。
・黒塗りでの移動は禁止。国会議員は公共交通機関の利用が無料なのだから、
電車やバスを利用すればそれで済む。あと自転車や徒歩も可。
今こそ、広場があればどこでもできる「青空国会」を提案いたします!
週刊宝島/宝島社