有限会社フューチャーテクスト

CLIENT : DAIHATSU

前田 知巳
コピーライター, クリエイティブディレクター
小島 潤一
アートディレクター
葛西 薫
クリエイティブディレクター
喜馬 克治
エクゼクティブクリエイティブディレクター

02

「私。どんどん、地元ラブ。」

幼なじみは、所有するコペンの外装パーツをまたもや着せかえていた。
どちらかといえば「のんびりいこうよ」的可愛さ路線をいく私のコペンとは対照的に、
いかにも「全身スピード好き」な風貌がさらに度を増していた(ちなみに私たち、女性ですが…)。
材木座海水浴場のそばに「ローカルベース鎌倉」というコペン専門のショップがあって、
たまにだけどそのコ(ちなみに私たち、いいトシですが…)と顔を出すようになった。
そこはお店ではあるんだけど、なるほど「ベース」というように、
ある意味ではコペンに乗っている人たちのたまり場みたいになっている。
「こんど西湘でドライブ会やるらしい」とか「面白い外装を作ってくれる工房が出来たらしいよ」とか
「ここら辺にまたあのタレントがロケにきてた」とか、いつも何人かがお茶を飲みながらまったりと暇をつぶしている。
考えたら近ごろ、別に用もないのにクルマを走らせることが増えた気がする。
近場の国道沿いに謎の行列ができているのに遭遇して、
「なんで、今まで知らなかったんだろう」というようなお店を発見したりする。
脇道にちょっと入っただけで、オープンカーで感じる空気が、
海の香りからどこかで焚き火している香りへと途端に変わったりする。
昔は「いやだなあ、田舎だなあ」などと思っていたのに、
「いや地元って捨てたもんじゃないな」と、今さらながら思う。これが成熟か(あ、違うか)。
「我がローカルを楽しむ達人」みたいな人がやっぱりいて、そういう人たちとひょっこり出会うことができて、
それがまた重宝する。ありがたいことです。

DAIHATSU